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サイトウ タカヒコ Portfolio (旧HP)

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2006年 03月 22日

第三場。脳神経学者、大野仁、軽薄なオレンジのリュックを背負い熱海行きの列車に乗る。

第三場。脳神経学者、大野仁、軽薄なオレンジのリュックを背負い熱海行きの列車に乗る。_a0059578_21371515.jpg横浜BankARTstudioNYKにて
PortB公演「ニーチェ」鑑賞。
昨日のチェルフィッチュ公演の際のチラシに折り込まれており、前の公演の写真(→)がなかなかそそるものがあったのでチェルフィッチュを同じく見ていたO氏が当日でも入れたという事実を頼りに初めて当日券を買って見るという戦法に打って出る。

「実験演劇」というジャンルに自分はどうやら放り込んだこの舞台。
舞台は真ん中に二本の柱を持った倉庫内をそのまま活かす形。二階建ての櫓を中心にニーチェが寝込むという設定のベッドがシンメトリーに二台配置されている。劇中の役者の動きもかなりそこを意識している。進行すると会場内に配置されていた係員も直線状に動き回る。

あとは客席の一列ごとの間にある薄いカーテン。劇中たまにカーテンを観客の前にひくということで少し舞台の印象が変わって見えてくる。

あと実験的なものとしては入場すると渡されるFMラジオ。ニーチェの文献の朗読が劇中ここから流れてくるという仕掛け。ただこのラジオ。やたら性能が悪い。

1、隣の客のラジオと干渉するのでノイズがやたらでる。(他のJ-Waveかなにかの音楽を拾っているらしい客もいた。)
2、唐突に聞こえなくなる。たぶん全員一回はこの体験をしていた様子。しかも何人かいっぺんに聞こえなくなるらしく自分と同じ瞬間、同じリアクションをする人間が必ずいた。

内容としては晩年の狂人となったニーチェとその妹(極度のブラコン)と母親をメインとした話。息子もしくは弟としてのニーチェを取り巻く妹と母親の愛憎と思想の妄想のドロ沼にはまるニーチェの一人言が舞台の台詞構成になるけれどもこれがまぁ「聞こえない(たまに)、わからない、台詞量が多い」の三拍子さらにこの長文のボクシングに対し解釈時間がまるでこの鈍行思考に与えられず全面モルタルの空間での反響音の渦に身をまかせ続けるしかない。

実験にしてもなんにしてもやっぱりもうちょっとちゃんと台詞が聞こえるべきでないのかなぁ。

by s-tou-takahiko | 2006-03-22 22:22 | 雑想(制作以外)


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